港湾の軍事利用強要やめよ

 自民党と公明党は、日・英・伊で共同開発する次期戦闘機を第三国に直接輸出する方針で合意しました。政府は閣議決定で、武器輸出のルールを定めた「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定しようとしています。武器輸出を全面禁止した国会決議にも明確に反します。平和国家の理念を投げ捨て、死の商人になる重大な転換が、密室協議で決められるなどあり得ません。
 「特定利用港湾」指定の件で、国家安全保障局、防衛省、国土交通省とオンラインで繋いで、高知県議団・香川県議団とのレクを行いました。この中で「特定利用港湾指定の枠組みは、米軍への後方支援や米軍と共に武力行使ができる重要影響事態や、存立危機事態も含まれる」こと、「自衛隊の武器・弾薬の輸送、部隊の展開は訓練も含む(訓練以外の実践にも使う)」ことが明らかになりました。
 どこをどう見ても軍事利用のための指定です。そして、有事(武力攻撃事態)以前の「重要影響事態」や「存立危機事態」(国や県はこれも「平時」と呼んでいる)にも、軍事利用を齟齬なく、切れ目なく行うための法整備です。県民に説明もしないで、3月末までに協定を結ぼうと躍起になるやり方はストップするべきです。
 高知県民は政府の介入に屈せず、県議会の全会一致で決めた県内港湾の平和利用の決議を守り抜いてきました。国会での武器輸出の全面禁止も、県議会での港湾の平和利用も、国民や県民の声による決議の重さを再認識するべきです。

   (3月24日付四国各県「民報」に掲載)