令和の米騒動-自民農政の破綻

 「スーパーに1袋もお米がない!」県外で暮らす娘から悲壮な声で連絡がありました。無類の米好きの彼女にとって、お米が食べられないことほど絶望的なことはありません。

 高知県でお聞きした話では「田植えのころから都会の商社が田んぼをかこって、秋の収穫時に他に売らないよう買い占めをしていた」と。巷では米が足りなくなるという話は、春頃からしきりにされていましたが、政府は何の手立てもとってきませんでした。それどころか米の消費減少を理由にしながら生産量を減らし続けていました。小麦価格の世界的な高騰でパンや麺類は値上がり、米の消費量が増えると、一気に「令和の米騒動」と言われる状況に。
 そもそもお米60kgにかかる生産費は、農水省の試算でも約1万6000円。現状では生産費を上回る米価はとても見込めません。先日訪問した徳島の農業委員さんは「猪、猿、カメムシ、酷暑とたたかって作ったとは思えないお米の価格」にがっかりしていると話されました。

 この期に及んで農水省は「米は全体としてひっ迫していない」と述べ、もうすぐ新米が出回るのでそれまでの辛抱だと言わんばかりの無責任ぶり。今の米不足は構造的で、起こるべくして起きたものです。国民が主食を手にすることができない重大事態を作ったのは、輸入に頼り農家を切り捨ててきた自民党の政策の破綻です。

 所得補償・価格保障を抜本的に充実し、国民の生の源、食料に責任を持つ政治を四国から必ず!

(9月1日付四国各県「民報」に掲載)