今を生きる私たちにこびりついた思い込み

 また一つ朝の楽しみができました。NHK連続テレビ小説「虎に翼」がスタート。日本女性初の弁護士、三淵嘉子さんが主人公のモデルです。

 日本帝國男子ニ限ル。当時、弁護士の門戸が女性に開かれたものの、女性は裁判官と検察官にはなれませんでした。しかし彼女は男女差別が色濃かった法曹界に道を開き、日本初の女性裁判官に。家庭裁判所の創設にも携わり、女性や子どもの権利擁護にも尽くしたとのこと。

 さらに驚くべきは、彼女は米国の原爆投下を国際法違反だと、世界で初めて断じた「原爆裁判判決」を書いた東京地裁判事の一人だったということ。「女性であるという自覚より人間であるという自覚の下に生きてきた」という言葉も残している。

 先日、フラワーデモ@かがわ主催で、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」の渡辺美奈さんの講演を行ないました。当時、日本中に、そして日本軍が侵攻した地域に、おびただしい数の「日本軍慰安所」がつくられていたこと、ひた隠しに隠され続けたこの問題を女性たちが力を合わせて明らかにしてきたことを知りました。慰安婦問題、現在も続く性暴力問題、終わらない暴力は戦争と繋がっていることを直視しながら、全ての性暴力をなくすために連帯し続けることの重要性を再認識しました。

 連ドラの主人公「寅子」の口癖は「はて?」。今を生きる私たちにこびりついた思い込みに気づくには、何事にも「はて?」の気持ちが必要では?

 (4月14日付四国各県「民報」に掲載)