両性具有
「新婦人しんぶん」(1月30日付)の「性別がない!」の記事を読んで、幼いころに生活を共にしたKちゃんのことに思いをはせました。
記事に登場する漫画家の新井祥さんは女性として育てられたことに違和感を持っていました。30歳の時に受けた染色体検査でインターセックス(生まれつき性器や性腺、染色体の性別があいまいで男でも女でもない人。「両性具有」とも言われる)と判明。LGBTのカテゴリーには含まれず、性的少数派の中でも知られていない存在です。
私の両親は家業の関係で共に「弟子」を持っていました。幼い時から私の家には常に住み込みで働く若い人たちがいて、寝食を共にしていました。その中の1人にKちゃんはいました。私はKちゃんが大好き。実の姉に加えもう1人の大きなお姉ちゃんとして甘えていました。何でも応えてくれるKちゃんが一つだけダメだったのは、いっしょにお風呂に入る事でした。
大きくなって母から聞かされたのは、Kちゃんは男性と女性の性器の両方を持つ「両性具有」だったという事です。Kちゃんは女性として生きていましたが、「男性っぽい外見」もあり、幼かった私は「男女」と呼んでからかっていました。心の奥で抱えていたKちゃんの思いを考えると、今も心がズキンと大きく痛みます。
性別二元論だけで縛られない。ジェンダーの課題に取り組む時の大事な観点です。(写真は6の日行動、2月6日)
2020年2月8日 よう子記