特別国会158日 共産党の論戦(4)
社会保障改悪の転換迫る 命・暮らし軽視に歯止め
特別国会で、高市政権は医療・介護の給付を削減する悪法や制度改悪を次々と強行するなど国民の暮らしと命をないがしろにする姿勢をあらわにしました。日本共産党は国会論戦で高市政権が進める社会保障切り捨て路線に基づく法改悪の問題点を暴き、廃案にすべく徹底追及しました。
負担減わずか
高市政権は患者団体の反対を顧みずに、今年度予算で高額療養費制度の月額上限の引き上げを決め、OTC類似薬(市販薬と成分や効能が似た処方薬)の保険外しによる患者負担増を盛りこんだ改悪健康保険法を成立させました。政府は「現役世代の保険料負担抑制」のためと言いますが、日本共産党の辰巳孝太郎議員は3月6日の衆院予算委員会で、今回の高額療養費とOTC類似薬の見直しによる保険料の負担軽減額は月約150円にすぎないことを質疑で明らかにしました。辰巳氏は「ペットボトル1本分ほどの保険料軽減と患者の命を引き換える大改悪だ」と厳しく批判。全国がん患者団体連合会の轟浩美事務局長は3月24日の日本共産党国会議員団との懇談で、辰巳氏の質問が「多くの人の心に届いた」と紹介するなど、論戦が希望のともしびとなっています。
辰巳氏と白川容子参院議員は衆参両院の厚生労働委で、5月に成立した改悪健康保険法に盛りこまれたOTC類似薬の保険外しのために創設する「一部保険外療養」の危険をそれぞれ告発。保険給付から外す対象が薬剤にとどまらず、医療行為全般に拡大できる規定となっていることを暴きました。両氏は保険外しの無限定な対象拡大は「必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により確保する」という国民皆保険制度の理念を「根幹から揺るがしかねない」と警告しました。
厳しい追及に追い詰められた厚労省は審議終盤に「薬剤に限る」と答弁。運動や論戦の力で法解釈を修正させました。引き続き薬剤の保険外しを許さないたたかいをすすめています。
対立あおる国
6月に成立した改悪介護保険法は、都道府県が人口減少地域などを「特定地域」と定め、在宅・施設サービス職員の人員配置基準を緩和できます。同地域では、要介護認定者の在宅サービスを保険給付から外し、自治体事業に置きかえることを可能にしました。
白川氏は6月18日の参院厚労委で、「全国一律のサービスを提供する介護保険制度の原則を根底から覆す」と警告。処遇改善や経営改善などの本質的な課題に手をつけず、「人員配置基準の緩和や要介護認定者の保険外しで対応するものだ」と批判し、介護報酬や国による公費負担の引き上げこそ必要だと主張しました。
高市政権は7月21日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)で世代間対立をあおり、高齢者の医療費の窓口負担増の方針を明記。小池晃書記局長は7月17日の参院予算委で、現行制度でも高齢者は年間収入に占める患者負担が、50歳代以下の人より3~5倍も重い実態を告発しました。高齢者と現役世代の負担をともに抑えるために医療費への国庫負担の引き上げを要求し、アメリカ言いなりの大軍拡をやめ、命を守る医療・介護にこそ税金を使うよう求めました。
(8月3日付「しんぶん赤旗」日刊紙 2面から 連載「特別国会158日 共産党の論戦」)
