保険外しは薬剤に限定
共産党の論戦が一定の歯止めに


5月29日に成立した改定健康保険法に盛りこまれた「一部保険外療養」の対象についての法解釈を巡り、日本共産党は国民の命と健康を守る立場で徹底論戦しました。
療養全般に拡大も
政府はOTC類似薬(市販薬と有効成分や使用目的が同じ処方薬)の保険外しを念頭に「一部保険外療養」を創設。薬剤費の一部を保険給付から外して、その分を患者に別途負担させる仕組みとしています。しかし「一部保険外療養」を規定した条文(63条2項6号)は、保険外しの対象をOTC類似薬にとどまらず、診察や処置、入院、手術など療養の給付全般に際限なく拡大できるようになっています。
辰巳孝太郎議員はいち早く4月15日の衆院厚生労働委員会で、この問題を明らかにし、「診察や投薬、処置、手術などを一体で運用してきた公的医療保険制度の根幹を破壊するものだ」と警告しました。
白川容子議員は5月21日の参院厚労委で、法解釈として保険外しの対象は療養全般が含まれるのかと追及。厚生労働省の間隆一郎保険局長は「規定ぶりだけいえば、そういう読み方ができる」と認めつつ、付則を併せ読むとOTC類似薬を念頭に置いたものだと煮え切らない答弁を繰り返しました。白川氏は「条文の解釈を聞いてもまともに答弁をしない。法律の審議の前提が崩れている」と厳しく批判しました。
また、立憲民主党の小西洋之議員の「薬剤以外の療養も保険外しできる法案の立法事実と立法目的は何か」(5月26日・参厚労委)との問いに、間保険局長は「現在具体的に考えているものはない」と立法事実さえ示せませんでした。
運動広げ止めよう
厚労省はこれまでの解釈を修正せざるを得なくなり、採決当日、5月28日の参院厚労委で、「一部保険外療養」の趣旨は「薬剤のみを対象としたもの」との解釈を新たに示しました。しかし、同日の質疑で白川氏が条文そのものの変更を求めると、高市早苗首相は「見直す必要がない」と開き直りました。
「一部保険外療養」の対象についての厚労省の解釈が療養全体ではなく薬剤のみとなり、一定の歯止めがかかりましたが、OTC類似薬をはじめとした薬剤の保険外しを進めることに変わりはなく、「一部保険外療養」の創設自体が問題です。国民の運動や世論を広げることが、政府が狙う2027年3月からのOTC類似薬の保険外しを止める力になります。
(6月1日付「しんぶん赤旗」日刊紙 2面から)
