際限のない負担増に

参院本会議 健康保険法改定案 白川議員が批判

 医師が処方する医療用医薬品のうち市販薬と同等の効能を持つOTC類似薬の患者負担増などを盛りこんだ健康保険法改定案が13日、参院本会議で審議入りしました。日本共産党の白川容子議員が質問に立ち、「改定案はOTC類似薬の負担増を入り口に、際限のない負担増を国民に強いるものだ」と批判しました。

 政府はOTC類似薬の負担増のための仕組み「一部保険外療養」を改定案に盛りこみ、OTC類似薬の薬剤費の25%を保険外の「特別の料金」として患者に負担させようとしています。窓口で3割負担の患者は、薬剤費が約5割の負担になります。白川氏は「5割もの自己負担の押しつけは、もはや公的保険給付とは呼べない」と批判。「『将来にわたって7割の保険給付(自己負担は3割以内)を維持する』とした、2002年の改定健康保険法の付則の趣旨に反する」と追及しました。

 高市早苗首相は、今回の見直しは保険外の費用だから「付則に反しない」などと開き直りました。

 白川氏は、「一部保険外療養」の重大な問題として、「薬剤だけでなく診察、処置、手術、在宅医療なども厚生労働省の判断で保険給付から外せる条文になっている」と告発。衆院で上野賢一郎厚労相が条文上は薬剤費の全額負担も可能だと認めたことから、「薬剤だけでなく診察や処置などでも全額負担を求めることが可能になってしまうのではないか」と迫りました。高市首相は「診察や処置に全額負担を求めることは考えていない」と答弁しました。

 白川氏は「医療費抑制の施策を転換しない限り、『一部保険外療養』は負担と給付の調整弁として、政府の都合のいいように運営され続けていくことになる」と警告。お金のあるなしで命の重さがはかられるような「命の沙汰も金次第」という状況にしてはならないと訴えました。

 白川氏は「国民全体の生活を支える給付が少なすぎることが、日本の社会保障の構造的問題だ」と指摘し、大軍拡予算を改めて、この構造こそ変えるべきだと強く求めました。

(5月14日付「しんぶん赤旗」日刊紙 1面から)

健康保険法改定案について

参院本会議 白川議員の質問(要旨)

日本共産党の白川容子議員が13日の参院本会議で行った、健康保険法改定案についての質問の要旨は次の通りです。

 改定案はOTC類似薬の自己負担分を求めるために「一部保険外療養」を創設するとしています。OTC類似薬について、薬剤費の4分の1を「特別の料金」として保険外の負担を患者に求めますが、現在窓口で3割負担の方は約5割の負担になります。5割もの自己負担の押し付けは、もはや公的保険給付とは呼べません。「将来にわたって7割の保険給付(自己負担は3割以内)を維持する」とした2002年改定健康保険法の付則の趣旨に反しませんか。

 衆院の審議で、OTC類似薬の患者負担増による国民の社会保険料の軽減は、月33円程度と政府は認めました。今回の制度改変でけがや病気になった時の負担増は、その何十倍にもなりませんか。

 負担増はこれだけにとどまりません。条文上では、保険外しの範囲はOTC類似薬以外の薬剤にも広げられることになっていませんか。さらに重大な問題は、薬剤だけでなく、診察、処置、手術、在宅医療なども、厚生労働省の判断だけで保険給付から外せる条文になっていることです。また、衆院で政府は、条文上は薬剤費の全額負担も可能だと認めました。一連の療養の一部を保険外にすることが可能となれば、薬剤だけでなく、診察や処置などでも全額負担を求めることが可能になりませんか。

 改定案は、OTC類似薬の負担増を入り口に、国民に際限のない負担増を強いるものです。医療費抑制の施策を転換しない限り、「一部保険外療養」は負担と給付の調整弁として、政府の都合のいいように運用されることになりませんか。

 私は病院職員として働き、お金がなくて治療も受けられない人々と向き合ってきました。お金のあるなしで命の重さがはかられるような「命の沙汰も金次第」という状況にしてはなりません。

 社会保障は憲法25条の生存権を保障するものであり、高齢者も現役世代も等しく暮らしを支えるものです。国民全体の生活を支える給付が少なすぎることが、日本の社会保障の構造的問題です。大軍拡予算を改めて、この構造こそ変えるべきです。

(5月14日付「しんぶん赤旗」日刊紙 政治総合面から)